静かな終わり

このところ、自分の中で静かな変化を感じている。
欲望というものが、すっと消えていくような感覚。
物を手に入れたい、何かを楽しみたい・・・
そういったエネルギーが、もう自分の中にはほとんど残っていない。

かつては、それなりに欲も執着もあった。
だが今は、ただ静かに、風のように生きていたいと思っている。
地に足をつけていながら、どこにも縛られない意識のままで。

今、過去のすべてが、遠い霧の中にある。

「色即是空、空即是色」

この世のすべては移ろいゆくものであり、しがみついても、それは指の間から零れていく。

だからこそ、いまは逆に自由だとも感じている。
地上の重力から少しずつ離れながら、
この世にあまり用のない存在として、
ただ静かに、世界を眺めている。

宇宙人のような気持ちで、この地球に少しだけ立ち寄っているような気分。
世俗の渦から距離を取り、ただ風と光に身を委ねている。

もはや、生前成仏。
解脱とは、何も特別な修行の果てにあるものではなく、ある朝ふと、「もう、いいかな」と思える、
そんな日常の延長にあるのかもしれない。

このブログは、2004年に始めた「海辺の放浪記」というささやかな記録。
気ままな独り言として書き始め、幾度となく自分の心を整理する場所になった。

この場所で、私は幾度も自分に向き合い、
過去を見つめ、未来を想い、
そして今ここに立っている。

そろそろ、この放浪も終わりにしようと思う。

この世に「絶対」などなく、
すべては一瞬の、幻のようなもの。

それでも、誰かとつながれた時間、
一つひとつの言葉に支えられた日々は、確かに温かかった。

「海辺の放浪記」は、今日をもって静かに幕を閉じます。

長い間、読んでくれた方がもしもいたなら、ありがとう。
ひとりごとのような記録を、そっと見守ってくれていたことに、心から感謝します。

またどこかで、風のように、すれ違えたら。

それでは、さようなら。